三陸海岸を走って、青森へ行く予定だったのですが、さすが2日目となると少々食傷気味。
「このまま八戸へ行ってもな~・・。頑張れば津軽へ行ける。津軽半島をぐるりと廻ってみよう!」
一人旅のドライブは実に自由。変更自由で、道さえあればドンドン行ける。
ところで、どう行けば津軽へ行けるか・・・・
三陸海岸から津軽半島への最短時間でたどりつくにはどのコースを取ればいいか・・・。
「やっぱり高速だな、八戸高速へ乗れば東北高速につながって、弘前へ行ける」
走りましたね~ とにかくぶっ飛ばしたという感じですね。高速は平均時速100キロ近かった。
どうして津軽へ?
なんとなく良いじゃないですか、津軽平野、岩木山、津軽半島、竜飛岬・・・・・。
津軽という言葉からいろいろ連想するじゃないですか。美空ひばりのリンゴ追分のメロディーや津軽三味線の音色、弘前城の桜、五所河原、・・。そうそう津軽海峡冬景色の~あれが竜飛岬、北のはずれと~・・・・・。
とにかく、走りに走って弘前の町に。
弘前城は桜の名所。とにかくお城の周りは桜の木が一杯。それも結構大木が多い。
「桜の頃はいいだろうな~・・・。信州の高遠城の桜なんか規模が小さいな」
お城の堀には結構紅葉の木も多く、秋の紅葉も綺麗でしょうね・・・・
さてさて、弘前に来たのはいいのですが、そこから津軽半島を廻るには・・・・。
「五所川原だね、五所川原へ行けば津軽半島一周の道がありそうだ」
弘前から五所川原への道は、まさに津軽平野。
岩木山が見えて(といっても雲に隠れていましたが)、周囲は全て林檎畑。
確かに岩木山は津軽富士と言われるようにいい形の山で、津軽の人の故郷の山って感じ。
りんごはすでに小さな実がついてました。(あわてたのでチョットピンボケ)
どうも道を間違えたらしくて、一向に五所川原にたどりつかない。
こういう時はガソリンスタンドへ入って給油しながら道を聞く。
「これから竜飛まで行って津軽半島をぐるりと廻りたいんだけど」
「チョット無理ですよ。半日はかかるコースですからね・・・・。多分青森は夜ですね」
今更引返せるものか! とにかく竜飛岬へ行くぞ!
しかし、一般道しかないのでスピードが上げられない。
時折田舎の四輪トラックがのんびり前を走る・・・・・。
話は突然変わりますが、皆さんは演歌歌手の吉幾造のデビュー作の「俺は田舎のプレスリー」という歌を知ってますか?
確か~俺の田舎は五所川原、電気もねー、電話もねー、ガスもねーという歌詞が印象的。彼は五所川原の出身なんですね。 ところが五所川原は全然田舎じゃない! 北津軽の中心都市でした。
またまた話が飛びますが、今年は太宰治の生誕100年とか。斜陽や人間失格、走れメロスなどが有名ですが、彼の生まれたのは五所川原から北へ行った北津軽郡金木村。
「へ~。太宰はこんなところで生まれたのか・・・・」
周囲は割合豊かな農村ですが、どうも彼は国会議員まで出た豪農の家の6番目の子。
「そうだな、こんな田舎から東京に出て・・・。焦ったろうな、早く名を挙げようと・・・」
彼の作風はよく知りませんが、屈曲した精神が窺えて、結局玉川で愛人と入水自殺。
「先を急がなくちゃ。竜飛岬まで80キロ! フー・・・・」
途中に十三湖があります。どこかで風景がいい場所があると聞いたけど・・・、古い遺跡も・・・・
しかし、しかし。とにかく先を急がなきゃ~
とうとう竜飛岬が近づいてきました。
しかし、岬への山越えは全く霧の中。目の前20メーターがやっとという有様。
「どうも今回の旅は霧に悩まされるな・・・・」
あわてず、ゆっくりと・・・・・。
竜飛岬は霧が晴れていました。
来て見れば、別にどうってことがない岬なんですが・・・・・。
「そう言えば津軽海峡冬景色の歌では、連絡船から竜飛岬を見るの形なので、主人公の女性は此処には来ていないことになる・・・・」 いやいや、歌はフィクションの世界なんでした。
竜飛は岬の先端に小さな漁村があります。
対岸は北海道ですね。多分江差半島の松前ですね。
さてさて、竜飛岬まで来たのはいいのですが・・・・・。
「まだ竜飛岬に居るんですよ。到着は遅れますから」 と携帯電話で青森の浅虫温泉の宿へ電話。
「お客さん、2時間はかかりますよ。あわてずに来ていいですから」
延々と陸奥湾を南下。でも7時前に通過した青森市内はまだ明るかったですが・・・。
「今日も走ったな~。あーあ、疲れた!」
それにしても、霧の中を夕方に竜飛岬に行ってそれから浅虫ですか( ゚ ▽ ゚ ;)!! 私なら「無理」って思うところです(^-^;
知らぬが仏、めくら蛇に怖じずみたいな感じですかね・・・。