「寒いな~」 どうも天気は下り坂のようでした。
宿への道すがら、夕日も落ちてきて、なにか寒々とした雰囲気です。
確か30年前にも10年ほど前にも磐梯山を見たような気がしますが、寒空で雲がかかったり暗いイメージしか残っていません。今回もスッキリしませんし、磐梯山は雲が出やすい?のかも。
宿の前にも小さな湖がありました。裏磐梯には彼方此方に似たような風景があるようですが、それなりに湖畔の宿で情緒があります。恐らく東京から来れば、落ち着いた観光地という位置づけになるんでしょうね。
「やっぱり雨が降ってきたね・・・・」
湖のバックは雨雲に霞む磐梯山です。
「霧にかすむ湖畔の宿というのも情緒があるさ」
しかし次の日からは低気圧が発達して、風は吹くし、雨は強いし・・・。
裏磐梯からラーメンで有名な喜多方へ抜ける道には、雪も残っていました。
当然のように磐梯山は雲がかかっています。
雨が降り、風が吹く中を、山道ばかりを走っていたような気がします。
「何で喜多方に行くの?」
「喜多方は蔵屋敷で有名なのよ」
「フーン・・・。初めて聞いたな・・・。喜多方はラーメンしか知らないよ」
喜多方は会津若松から米沢に抜ける幹線道路にあります。磐梯山の山裾に広がるのどかな農村です。余談ですが、会津から米沢は約60キロ。意外と近いんですね。
ところで、蔵というのは防火のために厚い土壁を持つ、大事なものを貯蔵する堅固な建物ですよね。その蔵を座敷にした家が多いらしい。喜多方の人はお金があったということでしょうね。
そのお家で、店の女性と少々世間話を。
「立派な蔵座敷ですが、何で金をもうけたんですかね・・・」
「生糸ですよ。それから酒や味噌の醸造なんかして・・・・」
「どの地方でも醸造屋は金持ちという相場ですね。でも今は大変でしょう?」
「細々とまだ醸造をやってますよ」
「失礼ですが、奥さん。いいところへお嫁に来たと思ったのに、苦労が多かったでしょうね」
とにかく喜多方に来たのだからラーメンを食わなきゃ・・・。
ある蔵屋敷を売り物にしている食堂へ行ったのですが・・・・。
「このラーメンあんまりね。名古屋駅前の喜多方ラーメンのお店の方がおいしいわよ」
観光地の食べ物は当たり外れが多いものです。
「ここまで来たら、会津若松鶴ヶ城を見なきゃ」 雨の中の駆け足観光です。
鶴ヶ城は皆さんご存知のように幕末の戊辰戦争で焼けていますので、現在の城は昭和40年に再建されたものです。お城の構えは結構大きくて、上杉120万石の東北一のお城の雰囲気は感じられます。その辺の事情はNHKの大河ドラマで出てくるかも知れませんね。
「まだ桜が咲いてんだ」
お城の下に小さな茶室が移設されていました。そこに綺麗な桜が雨の中で咲いていました。
「多分八重桜だわね」 今年は桜を見る機会が多いです。
さてさて、鶴ヶ城の見物もしたのですが、さすが会津若松から名古屋まで直接帰るエネルギーはありません。
那須に立ち寄って一泊することに。