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タイ週報  ラオ族の織物村   2.18

 このところ、タイの工芸村を訪ねるケースが多くなっています。
 今回はラオ族の織物村です。まずはその織物を見てください。
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 織物というのは実際手にとって見なければ、よく判かりませんね。
 綿糸の糸染め使いで、手織りの織物というイメージです。

 猿が遺跡に一杯いた古都ロブリーから1時間ぐらいバスに乗ったでしょうか・・・・。
 着いたところは普通の田舎の村。そんなにひなびた感じではありません。

 「こりゃなんだ。部落の長老から、婦人会のお歴々がずらりと並んでお出迎えかい!」
 どうもガイドの女社長が事前に下見調査をした時に、彼女の織物の知見を披露したようです。

 「そもそもこの村は、ラオスからやってきた人の村で・・・・・・・」
 まずは長老が村の由来を延々と説明し始めます。我々はジーと長老の話を拝聴しなければいけません。

 長老の話は30分ぐらい続いたのですが、要約すれば、150年前ぐらいにタイが強かった時代にラオスから強制移住され、ここで新しい生活を築いたが、我々はラオ人という誇りを持っている。タイ国内にはそんなラオ人の部落が点在していて、年に一回は大会をやっている・・・・。

 強制移住という一種の捕虜は、ラオ人に限らずこの地域ではよく発生してきたみたいで、戦争の目的の一つは住民の拉致だったようです。戦争に参加した武将達は、宝物と人を略奪して自分の勢力を増強させるというパターンですね。日本の戦争でも外国人を沢山強制労働させたという事実がありますね・・・・。

 「えー!お茶とお菓子まで出してくれるの?」
 部落の子供たちまで動員されたのでしょうか、しずしずとお菓子がテーブルの上に。

 「こりゃ、織物を買わなきゃいけないよなー・・・・」
 「そうだなー・・・。買わないと出ていけない感じになってきたなー・・・・」

 それから織物の作っているのを見学することになります。

 どうもこの織物のポイントは、縦糸に柄を施すことにあるようです。一般に柄だしは、横糸に柄糸を使って、縦と横の浮き沈みで模様を作りますが、此処の織物は糸の染色される個所を限定して柄を作りだしているようです。どうもよく判りませんが、日本のカスリの着物が同じ作り方?かも知れません。

 ポイントになる染める部分をきめる作業みたいです。
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 子供もやっていました。簡単な部分の作業らしいのですが、その手動きの早いこと・・・・
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 おばさんが少し丁寧に作業していたのは何なのかよく判りません。
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 作業が終わった糸です。縛っているのがPEの糸というのも面白いですね。
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 「今度は音楽のサービス?」
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 「部落総出の歓迎みたいで・・・・・。買わなきゃいけないよなー・・」
 ということで、ほぼ全員が織物を買うことに・・・・・。

 「今日は部落にお葬式があるので、関係者がそろいませんが・・・・・」
 「これだけそろえば十分で~す。」

 織物の販売所から出ると、近くのお寺でお葬式が行われていました。
 日本のお葬式とよく似ています。全員が黒い喪服を着ています。
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 「えらい時間がかかったなー。これじゃバンコクに帰るのは夜の8時になるぞ」
 「だって、あの雰囲気じゃ帰るに帰れないじゃないの」 とガイドの女社長。
 「そうだな・・・。チョット帰れなかったよなー・・・・」

 予想通りバンコクに着くと8時近かったね。 お疲れ様の一日でした。
Commented by rui-studio at 2015-07-13 09:33
染をするときに糸の状態で行うか(絣など)、あるいは布に織った後に染めるか(絞り染めなど)という二つの方法があります。
糸の状態で染めるときにはこのようにビニールで縛るとそこに
染液が入らないのでそこが染まらないということになります。
そしてビニールを外してから別の色出染めたりします。
写真の布を拝見しますと、特定の場所を縛ってグリーンに染め、
後に赤で染めたものではないかと思います。
あるいは赤で染めたのち縛り、グリーンで再度染めるかではないかと。
マットミーという織がありますがそれはそれは繊細で、
何色もの色が入ってそれが柄になっています。
それを習いたくてチェンマイに行きましたが、先生のところにはそれが通じてなくて、見学だけとなり、
平織をいざり機で織ってきました。
同僚の文化庁で個展をされた方のにわか受付をしたあと、クッキングに通い、チェンマイに飛びました。
Commented by takeshi_kanazaw at 2015-07-13 13:38
rui-studio さん。
この時は部落の長老の話が長くて疲れていました。
「どうやって織ってるのかな・・・」ぐらいの感覚で、詳しく見ていませんでした。
ジャガードがあるわけでもなく、横糸の柄だし車もないし、いろんな工夫をして柄を出しているという感想でした。

織物で印象深いのはミャンマーの水草の茎の繊維を使った織物。糸を作るのに大変な苦労。
製品は少し絹に似ていましたがべらぼうに高い!
(カテゴリー、ミャンマー紀行25、二人の老婆を参照)
インレー湖の水上に工場があって、面白かったですね。
by takeshi_kanazaw | 2009-02-17 20:58 | タイ週報(半年分) | Comments(2)

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