この建国については、中国の雲南省少数民族のタイ族の一部が南下してタイ王国を作ったのではないかという説もあります。ちなみにタイ北部の黄金の三角地帯と呼ばれるラオスとミャンマー国境では、中国雲南省からメコン川を下ってくる船が頻繁に往来していました。雲南省のタイ族にも水掛祭りの風習があります(タイでもソンクランの季節に同じ祭りがある)。また、クメールとの関係で言えば、スコタイの寺院にはアンコールワットと同じとうもろこし型の塔が多いし、東部のコラート地方ではクメールのアンコールワットにそっくりの建物もあり、通説をなるほどと思わせる感じを持ちました。バンコクのワットプラケオにはかなり大きなアンコールワットのレリーフがあるのをご承知の方も多いのではないでしょうか。
数年前にタイの女優がアンコールワットはタイ人が作った云々と発言したとかで、一時カンボジアとタイの関係が険悪になったとか。実はアンコールワットの北数百キロのところ(多分ピマイ?現在はタイの領土)にアンコールワットが出来る100年前に出来たという、アンコールワットそっくりな建物があります。両方を見た私の感想としては、建物の装飾方法や周囲を水濠で囲むスタイルはそっくりで、同じ民族の作品と思います。タイ東部のコラートとカンボジアは低い丘を越えて隣り合わせで、多分当時この地域一帯はクメール人の支配する地域だったのではないか。後で国境が作られたに過ぎないから、タイの女優の意見は行き過ぎだと感じました。本当のところはよく判りません。
[ご存知のアンコールワット
ピマイ?の建物
塔の頭部
ピマイ近郊の建物
タイは大陸国家ですから、この種の話は一杯あるのでしょうね。どの国でも自国の建国については微妙な感覚があって、タイの歴史についてタイの人と議論をしたことがありません。私がタイ語をまったく出来ないので議論のしようがないこともあるのですが、日本の建国に関して外国人にとやかく言われるのはあまり気分がよくないのと同じかなとは思います。多分日本の弥生人なるものは中国から来た人かもしれませんからね。(日本人はどこから来たかというテーマは後日にゆずるとして)
現在のタイではバンコクを中心に多くの中国系の人やインド人がいますし、南にはマレー系の人、そして東部にはラオス系の人などがいます。最近は日本人や韓国人も沢山住んでいます。「タイ語が話せればタイ人?」という説を唱える人も居ましたから、タイ語を勉強してタイに住めば日系タイ人になれるかも。