月に一度 日本古代の渡来人 についてセミナーを受講している。
この話は 「まほろば紀行」 のカテゴリーで順次載せているので、読んでいただいたかも。
今回は渡来人最大氏族の 「秦氏」 の話の冒頭部分になる。
ところで、有名な 伏見の稲荷神社 は、秦氏の祖霊として創建された説があり、太秦(うずまさ)という地名が残っているように、平安京建設時には秦氏の勢力が欠かせないものだったという。
さて、セミナーではその秦氏の話でしたが・・・。 このブログの中心は私が独自に分析?した話です。
「古代渡来人の実勢」 という私が名づけたテーマですが、話が少しややこしい。
結論は、古代日本経済の中枢は渡来人が担っていたのでは? という話です。
長い文章は苦手という方はパスしてください。 興味のある方は、私が暑い中、時間をかけて分析?した話なので、ご苦労ですが読み進めてください。
問題1 古代日本人口に占める渡来人の割合は?
セミナー講師によれば、欽明元年(西暦539年)に 秦氏は7053戸、人口換算すると19万432人という資料があり、全国に沢山の秦氏一族が居たという。(ただし秦族は総称で、朝鮮半島からの大きな渡来人グループと捉えた方がいいようです。 同時代に朝鮮任那が滅亡しています) この秦氏の人口数にはかなり信憑性があると力説しておられました。
秦氏以外にも東漢・西漢などの渡来人グループがいたが、秦氏が最大だったという。いずれにしろその時代に渡来人が20万人以上日本に住んでいたということになります。
~ うむ? 20万人? ちょっと待ってよ。 その時の日本全体の人口に占める渡来人の割合はどのくらいになるの? ~
私は珍しく講師へ質問。当時の日本人の人口数を聞いたのですが・・・。
「うーん、よくわからないんですよね・・・・」 どうも古代史学者は俯瞰的分析が苦手のようです。しからば自分で調べるしかない・・・・。
半日以上かけてインターネット検索。 その結果、日本の人口数の歴史はおおよそ以下の通り。
2~3世紀 弥生時代 おおよそ50万人。(魏志倭人伝等の資料)
4~5世紀 古墳時代 100万人前後か (?????)
7~8世紀 奈良時代 約500万人前後 (大和朝廷等資料)
平安時代 800万人前後
織豊時代 1000万人超
江戸時代 3000万人で推移
現代 12000万人
奈良時代以降は資料数も多いのでかなり正確でしょうが、それ以前は予測段階ですね。
とにかく渡来人が来た古墳時代~飛鳥時代に急激に人口増があったような気がします。米作の普及も大きな要因だったかもしれません。
さて、そうすると渡来人の日本全体の総人口に占める割合はどうなる?
{・・・・・ 20万人÷100万人=20% ・・・・}
現代で言うなら、2500万人の渡来人が日本に住んでいることになります。
「うーん、これは大変な数字やな・・・」
問題2 古代日本経済に占める渡来人の役割
秦氏の仕事は 機織りを始め、土木工事や建築など、幅広い分野の仕事をしたようで、農業分野にはあまり就業しなかったようです。まさに経済人グループで、のちに大蔵大臣を務めます。 また東漢・西漢の渡来人はもっぱら軍事・行政事務が主な分野だったといいます。
ここで第2の問題ですが、古代日本の経済についてです。
就業別人口は、古くは農業・漁業など、いわゆる第一次産業が主体ですよね。 江戸時代などは80%の人が第一次産業に就労していたらしい。 後の20%が商工業や行政・軍事に携わっていたのですが、この割合をベースに一次産業以外の就労人口を古代日本に当てはめると・・・。
{・・・・・100万人×20%=20万人・・・・・}
「おかしいな・・、商工業や軍事・行政に携わる人の数と渡来人の数がほぼ一致する!」
ということは、日本中の商工業が渡来人に占有され、役所の窓口に行っても渡来人、武器を作るのも渡来人。そこで話される言葉は全て漢語。農業や漁業しかやってなくて、漢語も判らない、話せないし書けない人はどうなるのか?
日本の古代の実態はこんなもんだった???
「お前の分析は素人で信じられない。 そんなバカなことがあるはずがない!!」
そうかもしれませんし、意外と私の分析?に近い社会だったのかもしれません。
日本の古代史は主に歴史学者さん達の資料分析が主体です。 巷で取り上げられる話は 邪馬台国は何処にあった など、ミステリー気味な話ばかり。 人口数や経済の話はサッパリ出てきません。 どうですかね、もっと多方面からの分析で、古代日本の全体像を俯瞰する必要がありますよね・・・。
暑い真夏の変な話だったですね・・・。
これからも古代史探訪は続けますので、時々変な?話が登場します。
伏見稲荷は今、人気で人が多いようです。
ゆったりできた時に読ませて頂きます。
色々勉強は良い事ですネ
頑張って下さいネヽ(^o^)丿
古代を調べると、意外と現代に繋がっています。