歴史学は主に昔の文献を根拠としてテーマを論じる。 日本でいえば、古事記や日本書紀を引用するケースが圧倒的に多いですね。 考古学は発掘された遺跡の文物から考察する。 彼方此方の遺跡発掘で新しい発見が相次ぎ、考古学ブームだとか。 最近、新しく人間の遺伝子情報から分析してみようという試みが進んでいるようです。
気まぐれにカルチャーセンターの講座を聞いてみようと思った。
題名は「 ヒトゲノムから見た日本列島人のルーツ」で、 講師は集団遺伝子の教授です。
暑いなか出掛けたのですが、50人を超える老人たちが集まっていました。
まるで大学の講義のような感じで話が進みます。
「ゲノムってなんやねん。 まず言葉が判らんわ・・・・」
” ヒトゲノムは、ヒト (Homo sapiens) のゲノム、すなわち、遺伝情報の1セットである。ヒトゲノムは核ゲノムとミトコンドリアゲノムから成る。 ”
ますます判らないですね・・・・。
私はまるで真っ暗な迷路に迷い込んだ子羊みたいなもの。
時々何処かで聞いた言葉が出てくるのが、一筋の明かりみたいな感じ。
講義の内容は、類人猿と人の系統樹が現れ、旧人と新人が登場し、アフリカから拡散した人類の予想経路が出てくるころには、もう疲れてしまった。
(これはイメージ図のような気がします。 細かい点は明確化していないし、研究が進めば違うイメージ図が出てきてもおかしくないと思います。 例えば 別途多地域進化説があるらしく、各地で同時並行的に人類の進化が進んだという考え方もあります。 私は全てはアフリカからというのは変だな~と感じますが)
要するに、現代人のヒトゲノムを分析すると、その配列からそれぞれの標本の近さ加減が判るらしい。
人間同士は人類全体が凄く近くて、どうも短い時間(と言っても数十万年単位)で、一か所から爆発的に移動が進んだのではないかと予想されるそうです。
「人間の祖先はアフリカから世界に広まった。すなわち出アフリカが最初」 という話の根拠になっている部分らしい。
(この図は詳しい説明はありません。 聞いても頭が痛くなりますが、系統樹の近さとか祖先の共通性とか、そこに至る距離の長さとか、結構重要な図のようです)
そのうち 「デルソワ人」 とか、「原人と新人の重層的な混血」 なんて話になると、全くついていけません。
このヒトゲノムの分析というのは、現代人を中心に遺伝子情報を分析することを基本にし、その結果から仮説を立てて、標本数を増やして仮説を立証するという研究スタイルのようです。 ところが、この遺伝子解析というのは、お金と人が掛かる作業らしく、まだまだ過渡期のような感じがしますね。 人工知能が発達してますから、意外とこの分野も進行が速くなるかもしれません。
「日本の天皇家の遺伝子分析をすれば、そのルーツが判りますか?」
ある女性の聴講者が質問。
答えは・・・・。「日本社会の風土ではそんなことはやりません」 と聞こえました。
この講座は月に一回。 3回で終わるのですが、さて日本列島人のルーツはいかに。
また、来月に2回目の講義の報告をする予定です。
人種問題がややこしくならない、ですから。
もっとも、人間が過去に、他の霊長類を駆逐した可能性もありますが。
そうなんですよね、人類はみな兄弟。
しかし、全てがアフリカから始まったというのは納得できない。
この遺伝子による研究はまだ日が浅く、まだまだ判らない。
猿だって世界各地で生まれてきたし、人間だって・・・。
出アフリカから始まった説は、いづれ崩れるのでは?