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 新幹線で祁連山脈を越える  河西回廊の旅  その18

 河西回廊の旅の5日目の午後。
 張液の町から新幹線(中国・高速鉄道)で祁連山脈(きれんさんみゃく)を越えて、青海省の西寧に向かう。

 「この張液は、東方見聞録で有名な マルコポーロ が一年間も滞在した町です。 そのマルコポーロの像があるので、チョット見て行きましょう」
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 ご存じのマルコポーロ、13世紀(中国・元の時代)に、イタリアのベニスから叔父と商売で東方へ。 この張液の町で、元の皇帝の都への入場許可を待っていたという。

 「あれ? 像を見るだけなの?」
 シルクロードを旅する人には、マルコポーロ にイメージを膨らませている人もあるかも。 でもこの旅の企画者はそんなことは重要と感じないようです。まー、13世紀ですから、何も残っていないでしょうが・・・。

 余談ですが(このブログではよく余談がでてきます)ちょっと独り言を。

 日本人旅行者は、シルクロードの旅に独特の感覚を持って訪れる人が多い。 日本古代から仏教伝来など、このシルクロードを通じて西域からもたらされて文物も多い。 どうも、日本人はシルクロードに一種のロマンを感じるんですね。

 ところが中国人は、西域と言うのは、気候も厳しく、食べ物も不味い、異民族の住む場所と感じている。 ですから、シルクロードを旅しても中国人ガイドから、シルクロードに係る歴史的な話を聞こうとしても、全くの期待外れということになります。 同行する日本人同士で議論した方がよほど知識が豊富。
 マルコポーロなんて、よく知らねーよ と言われそうです。

 張液の駅に来ました。
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 都市名が簡体字で書かれていますが、私はほぼ予想は出来る。 どうも我々は17時16分発のウルムチ(乌鲁木齐 )発、蘭州(兰州 )行きの列車に乗るようです。 17時、ごご5時なんですが、これらの時間は全て北京時間。 張液付近は約2時間ぐらい時差がある感じで、感覚的には午後3時前の状態。
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 中国では列車がくる時間が近づかないと、お客をホームに入れません。

 やってきました、新幹線。 中国では和諧号(愛称)ですね。
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 最近は中国旅行をすると、この和諧号に乗るケースが増えてきましたね・・・。
 日本の新幹線に乗ってるのとほぼ同じ。 漫然と外の景色を。
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 この張液なんて町は人口100万を超える都市ですが、中国ではまさに西域の田舎。 そんなところに新幹線を引き、高速道路が走っています。 中国はいまや世界一の長い高速道路網を持つ国で(アメリカ以上)、同時に新幹線の線路の長さは既に日本を越えています。

 社内販売の人が来ました。 「コーヒーをちょうだい」 と英語で。 その後がイケナイ。販売員が何を言ってるのかサッパリ判らない。どうも中国語を喋っているみたい。
 横に座っていた中国人の青年が助け舟を出してくれました。 綺麗な英語で「コーヒーの種類を聞いていますよ」 「そうか、ノーミルク、ノーシュガー」 販売員はすぐ理解してストレートコーヒが。

 旅をすると隣の人によく助けてもらいます。 彼は四川大学の医学部博士課程の学生。クラスメートの女子学生3人を連れて、卒業旅行だという。 私の英語はヒドイのですが、J君というお医者様の卵はとても英語が上手くて、発音が綺麗。 何とか意思疎通が可能状態。 中国語だけだと筆談で大変ですが・・・。

 レンタカーを借りて、青海省と敦煌辺りを走ったそうです。 レンタカー代は15000円ぐらいが2回。値段は日本とあまり変わりませんね・・・。 中国の学生(博士課程)がレンタカーで旅行する時代なんですね。

 新幹線の車両内、我々の場所だけが盛り上がっていました。
 そこに現れたのが 我 折り紙オジサン のFさん。すぐに彼を中国人の学生たちに紹介。

 「この人の特技は折り紙だよ。 何を折ってほしいかリクエストしたら?」 と言うと、彼女たちが求めたのは、なんと ピカチューの折り紙。 ピカチューの折り紙って見たことがありますか?
 頼まれた折り紙オジサンのFさん。 全然動じる風がない。 立ったままでピカチューを折り始めた。
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 ピカチューの折り紙が出来上がると、女学生たちの歓声が上がる。 女学生は3人。全員に折らないとイケナイでしょうな・・・。 Fさん、さらに頑張る・・・。

 私は? 折り紙騒動に巻き込まれていては、車窓の景色を見逃してしまう。 なんといっても、祁連山脈を越えて行くのだから、その様子を見ておかないと・・・。
 トンネルを抜ける頃、雪山が現れました。
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 途中の駅に近づいて速度が落ちた頃がチャンス。
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 Fさんの方を見ると、どうも座り込んで臨時の折り紙教室が開催されているようでした。
 「Fさんは車窓の景色を見てないんじゃないかな・・・・」
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 私は窓ガラスに身を寄せて、景色の変化していく様を追っかけてました。
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 草原に小さく点々と見えるのは放牧している羊でしょうね・・・。 長閑な風景が続きます。

 綺麗な雪山が見えました。
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 この季節に雪を被っているのですから、相当標高が高いですね・・・。 5千メター前後はありますね。

 折り紙教室のFさんへ。
 「女学生だけじゃなくて、隣のJ君にも何か折り紙を折ってやってよ」 と私。
 「そうだな・・・。 青い色でドラゴンを折るか。 彼が皇帝のように出世するように願って・・・」
 J君のために折った青いドラゴン。 J君も結構喜んでいました。
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 Fさんの周りの女学生たち。 盛んにスマホで友達に折り紙の写真を送っているようです。

 張液から西寧までの車中。 あっという間に時間が過ぎてしまいましたね・・・。
 ほぼ300キロ、2時間チョットの旅でしたが・・・。

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Commented by odamaki719 at 2017-07-07 11:02
おはようございます♪
 マルコポーロの像があったり街は中国らしくないですね。
新幹線も驚くほどカッコイイですね。
車窓の風景も今までと全然違い綺麗です。
ピカチュウを折り紙で折るFさんは親切ですね。
Commented by takeshi_kanazaw at 2017-07-07 21:04
odamaki719 さん
そう言われれば、この町の姿はどこか中央アジア風ですね。
新幹線ですが、速度もサービスも日本と同じですね。
中国は急ピッチで変化していますよ。
Commented by small-talk at 2017-07-07 22:24
経済発展のある段階においては、ある意味、独裁国家は強いですからね。
日本なんて、成田に空港を造るだけで大揉めですから(笑)
成熟し始めると、マイナス面が大きくなるでしょうが。
Commented by takeshi_kanazaw at 2017-07-07 22:50
small-talk さん
なんといっても、中国では全ての土地は国のもの。
中央がやると決めたら何処までもという感じ。
なかなか個人の意見は通らないみたいですね・・・。
ズーとこういう感じでは行かないだろうとは思いますがね・・。
by takeshi_kanazaw | 2017-07-07 08:01 | 中国・河西回廊の旅 | Comments(4)

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