「この旅行記は何時まで続くの? まるで中国奥地に旅して帰ってこない旅人みたい・・・」
そうですね、実際に旅した11日間のまだ6日目ぐらいなところをウロウロしてますね。
まー、いつかは終わるでしょう。 終わるときには終わるもんです・・・。
旅の6日目は、ズーとタクラマカン砂漠縦断の道をひたすら走っていました。
大砂漠の縦断という大旅行?をしているハズなのですが、現実にはこんな風景を見続けています。
「腹が減ったな・・・。 それにしてもお腹がすいた・・・・」
我々旅人は、大砂漠を縦断しているというのに、考えることにロマンがないですね・・・・。
やっとたどり着いたのが、この道にある唯一(多分)の休憩所の食堂。
それにしても大砂漠の中で食事をいただけるのですから、感謝ですね。
我々が選択したのは、モチロン ウイグルのうどん です!
ウイグルのうどん。 何処で食べても、何時食べてもおいしいですね・・・・。
食後はノンビリ。 休憩場所には何やらお店まで出てます。
このオバサンの売っていたリンゴ。2個5元(約90円)で町より少し高い。 でも硬くて美味かったですね。 それにしても最近の日本のリンゴは大きくて綺麗ですが、実がしまらずに不味いですね。
トイレに行ったらこんなプレートが。
公共の場で宗教活動禁止? イスラム教徒は毎日5回のお祈りをするはずだけど、あれも宗教活動?
なんだか変なプレートですね・・・・。
タバコを吸っていたら、こんな看板もありました。
ホー、宗教活動の禁止行動を図入りで26も定めているんですね・・・・。
中国政府はこの地域の宗教活動に凄く敏感になっている証拠ですね。
この新疆ウイグル自治区の民族問題。 今回の旅でズーと気になっていましたね。
旅行記にマッチしないテーマですが、実際に現地を旅していると周囲の雰囲気から、ヒシヒシと異常感というか圧迫感を感じますね。 現地ガイドのGさん(漢族)は、どうもこの話を避けている感じですし・・・。
この数年、ウイグル族(イスラム教徒)のテロが起きています。 2009年のウルムチ、2013年の北京天安門、最近もキルギスの中国大使館爆破事件などなど。 2年前に私が雲南省を旅していた時期にも、昆明で事件が発生していましたね・・・。
この旅で私が感じたのは、これらのテロ事件はウイグル人の積年の恨みの爆発やな~ という感じ。
中国共産党政権以来、ドンドン漢人をこの地域に送り込み、人口構成が大きく変化するとともに、経済活動が漢族中心で民族間の経済格差が生まれ、宗教活動への制限などの処置も続いている。 ウイグル族としては民族存亡の危機と感じているのかもしれません。
中国のウイグル民族の事件は、 ウイグル族がイスラム教徒であることから、 テロとの戦い=正義 という、短絡的なプロパガンダ を使った報道には注意が必要ですね。 しかし、多民族国家というのは大変ですね・・・。 何処でも問題が出ますね、それに宗教が絡むと更に複雑化する。
そうでした、そうでした。 今回はタリム川を渡った話でした。
もう400キロ近く走ったころでしょうか。 辺りに緑が多くなったと感じ始めた時、突然大河が出現。
タリム川ですね・・・。 このタリム川、タリム盆地に流れ込む多くの川を集める大河で、全長が2000キロあります。川の長さが資料によってマチマチですが、なんといってもこの川は、最後はタクラマカン砂漠に消えてしまうのですから、長さは特定できないかも・・・。
「せっかくだからバスから降りてみようよ」
川にかかる橋。 向こう岸が見えないほど長くて、約2キロあるそうです。
しかし、タクラマカン砂漠には全く水がないのに、ここでは大河が流れている・・・。
向こう岸は・・・、見えませんね・・・。 この大河の水がすべて砂漠の中に消えていくんですね・・・。 なかなか信じられない・・・。 船は全く見当たりません。川は浅くて全く水運には使えないそうです。
「砂漠の緑化にこの水を使えばいいじゃん」 と思いますね。
でも、この川の水量はそうないから、この水を使うと下流のオアシスは全滅するかもしれない・・・。
さ迷える湖 ロプノール も、昔はこのタリム川が流れ込んでいたのかもしれませんが、今はもっと南の方で砂漠に消えていくそうです。 きっとタクラマカン砂漠の民は、このタリム川の流れの変化で、その種族の興亡が大きく左右され続けたのでしょうね。
川の近くはさすがに緑が多いですね。 胡楊(こよう)の森があります。
胡楊も水がある場所ではスッキリと上に枝を広げていますね。こんな姿を見ると、古代の桜蘭王国は胡楊の森に囲まれていたという話が現実的だと感じますね。
こんな場所でトイレは・・・・・。 まー、お許しいただいて放尿。 下を見るとピンクの花。
どうも砂漠の中を走っていると、変な時に花を見つけるケースが多くなります。
タリム川を渡った後は、周囲の景色がドンドンと変わっていきます。
水の存在で全く世界が変わってしまうのですね。 大自然の力の前には人力は小さい・・・。
そろそろ クチャ のオアシスに近づいた感じです。
もう日が傾き始めました。
「タクラマカン砂漠縦断。 思ったより アッケナカッタ よな・・・・」
でも早朝から夕方まで、ナガ~イ 一日でした。
そうそう、音、匂い、気温、湿度などの視点も加味してください。なかなか行けないですからね。ご無理言います。
そのとおり、そうなんですよね・・・。あの時なんですね。
「タクラマカン砂漠に下には地下水盆が存在する」という説があります。
消えてしまった川筋に小さなオアシスが現存して、地下に水の存在が実証され、タクラマカン地下水盆は有力な説とされています。
音、匂い、温度、湿度・・・・。 体感を今後入れていきますかね。