三輪神社のご神体は三輪山なんだそうです。いかにもまほろば風の原始信仰ですね。
ですから、山に勝手に登ることは許されない。
山に登るには、ご神体への信仰の修行風な山登りとなります。
「えー? もう登れないの?」
三輪山に登るには午後2時までに社務所に届け出をし、いろんな規則を守って登らせていただくことになります。
ちょうど降りてきた人がいました。
「どうだった?」
「結構きつかったですよ。往復で2時間ぐらいかかるかな~・・」
カメラはダメ、飲食はダメ、道中は白いたすがけ、まさにお参りする感じですね。
この三輪神社の拝殿はなかなか立派なもので、祭神は大物主神。国全部を守る神様の中の神様という感じなのである。 だから、この神社は日本で最古の神社で、正式には大神神社(読み方はミワジンジャ)というのだが・・・。
この神社やその周辺に、やたら日本最初の〇〇といううたい文句がつく。
日本最初のお酒造りの神社とか、最初に杜氏を祭った場所とか、神社近くには日本最初の市場さえあるらしい。
下の絵は日本で最初に杜氏を祭った場所というのだが・・・
三輪神社が盛んに ”日本最初の・・” を連発するのには理由があります。
皆さんは 「三輪王朝」というのを聞いたことがありますか?
ヤマト政権誕生は、この三輪山の麓で政権を確立したのが最初で、この政権を「三輪王朝」というのだそうです。弥生時代後期か古墳時代前期、3~4世紀の話ですね。
そんな話は初めてという方も多いでしょうが、この三輪王朝成立の話には、もう少し複雑事情が加わっているというのです。
そもそもこの地には三輪山を崇める土着の「出雲族」がいたのだが、ここにやってきた外来人が崇神(すじん)天皇のころに、出雲族が崇める三輪山を自分たち神として崇めて、この地を治めたというのです。
「うーん・・・。どこかで聞いた話だな・・。出雲風土記の ”国ゆずり” みたい?」
たしかに異民族を慰撫するには、その民族の崇める神を認めることが重要ですね。異民族の信ずるものを否定すると、生きるか死ぬかの戦いになりますね、きっと。
日本誕生の歴史は、神話の世界と歴史的事実が交錯して混沌としていますね・・・。
まほろば紀行を楽しみながら、古代の歴史に想いを寄せるのも悪くありませんね。