「何人乗ってるのかな・・・」
何やら小型バスが来ました。 田舎では珍しい。
田舎の繁華な町に近づきました。
「おいおい、どうも線路の上に一杯人がいるぞ。 チョット車を止めようよ」
この旅では、面白そうな場所があると、臨時停車を繰り返します。 現地ガイドのAさんがこなれた人で、ドンドンと臨時停車をしてくれます。
「こりゃないだろう! 鉄道線路の上に店を開いて商売してるわ」
「一日数本しか列車は通らないし、その時間も良く知っているからね」
いやいや、線路の上を歩く姿は各国で見ましたが、お店を開くのはね・・・。
「ここは日本のテレビでも紹介されましたよ」 と添乗員のY嬢。
このオジサンなんか、線路の上に座り込んでいます。
「いやいや、マイッタ、マイッタ。 これがバングラデシュか・・・」
線路脇にも一杯店が並んでいます。
ガイドさんに聞くと、バングラデシュでは鉄道の線路の上を歩くのは 常識? だそうで、首都のダッカでもそんな姿を見ましたね。
線路の傍の道路は人でごった返していました。
バスの天井に人の姿も。
「町の中を歩くのも面白いわ」
僅か15分ぐらいプラプラしたのですが、その間に私達はバングラデシュの人達に取り囲まれてしまいました。 別に危険なこともないし、お金の話でもなく、とにかく彼らの興味の対象になっていたようです。
「まるで貴人か映画スターみたい。 そんなに俺たちが珍しいのかな・・・」
なんと、我々のバスの中まで覗き込む人が一杯。
この旅では外国人は殆ど見ませんでしたし、日本人はおろか、観光客に会ったこともなし。とにかくバングラデシュの人達には、私達が興味津々の対象物のようでした。