(インターネットからの写真)
新疆ウイグル自治区は私の好きなシルクロードの地。暴動発生が伝えられている省都のウルムチは、シルクロードの旅では起点となる町で、もう3回も訪ねたことがあります。
暴動発生のニュースを聞いて、”さもありなん” という感じですね。
シルクロードを旅して実感したのは、”こりゃ中国の植民地だな”という思い。
そもそも今の中国の領土は、歴史的に見ても幾分大きすぎる感じがします。
西の新疆ウイグル自治区、南のチベット自治区、北のモンゴル自治区は歴史的にも人種的にも漢民族の領土とは言い切れない。
新疆ウイグル自治区の地域は、タリム盆地の周辺のオアシス都市が点在して、歴史的には多くの民族が入り込んできたり、去って行ったりしているようです。中国からは”西域”と呼ばれた地域。
現在この地域に1千万人弱住んでいるウイグル族は、もともと北にいたトルコ系の民族らしくて、AC10世紀頃この地に。 他民族との混血も進み、漢民族とは少し異なるエキゾチックな風貌をしていますが、基本的にはトルキッシュで、この地域が東トルキスタンと呼ばれている所以です。
2年前ウルムチの北のイリで出くわした結婚式のウイグル人の花嫁さん。
その花嫁さんの友達。ロシア人や漢民族、ウイグル人・・・。仲良くやっていたはず・・・。
暴動の直接的な原因はよく判りませんが、結局は民族と民族の感情的衝突ですね。
ー追加ー
(直接的原因は広東省に出稼ぎに行っていたウイグル人が、漢族への暴行というデマで2名が殺されて、その情報がウイグル人に伝えられ、ウルムチでの抗議デモとなったらしい。 そう言えば私が新疆ウイグル自治区へ旅行に行っていたというと、上海出身の飲み屋のママさんが”そんなとこに行った人は臭い臭い”と言ってましたからね・・。漢族のウイグル人への蔑視傾向は、昔から庶民の間に広がっているのでしょうね。)
中国側の主張は、中国領だから経済的にも豊かな暮らしが維持できているじゃないかということなんですが、一方ではロシア国境の守りの重要地域だから手放せない。 現中国政府になってから多くの漢民族をこの地に送り込んでいます。
古くはイリの北のジュンガル盆地には漢民族の屯田兵が、最近ではタリム盆地の油田開発で多くの漢族の商売人が入ってきています。 特にウルムチは漢民族の割合が増えて、おそらく50%を超えたのではないでしょうか。
しかし、いくら漢民族が増えてもイスラム教のウイグル人との結婚は殆どない。民族融和はなかなか進みにくいですね。
一方、国境を接する旧ソ連の中央アジアでは、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタンなど、西トルキスタンの各種族が独立国となっています。中国側のウイグルは?
確か中国の現政権が成立する前には短命ながら「東トルキスタン共和国」があったのですから、その後も独立運動が脈々と続いていたのですね。
さてさて今回の暴動騒ぎですが、人種的に近いトルコは応援メッセージを送っていますが、中国はチベット騒乱の時と同じく強硬姿勢ですね。インターネットの写真を少し。
軍隊を動員して町を周回しているとか。
そう言えば現在の中国共産党主席の”胡錦濤”さんは、若い時チベットの省長さんでしたね。
彼はチベットを上手く抑えた手腕を買われて出世した人ですからね・・・。
今回騒乱が発生しているウルムチは、新疆ウイグル自治区では特殊な場所で、漢民族が比較的多い地域ですが、南のカシュガルやホータン、東のトルファンなどは殆どがウイグル人です。騒乱がこれらの地域へ広がる可能性は高く、抑え込むのは容易じゃないと思いますが・・・。
しかし、かたくなで強固な中国の姿勢を打ち破るのは少々困難かも知れませんね。
外国の強力な支援も期待薄ですから、何か上手い着地点はないですかね・・・。
でもね、私は天山山脈のが見えるオアシスの風景が忘れられないし、エキゾチックなウイグルの女性は好きなんですがねー・・・。
しばらくはシルクロードへ行けないかも知れませんねー・・・・。