天山山脈の上を飛ぶ  新シルクロードの旅 その4

 旅の2日目。 午後には省都ウルムチから西のカシュガルまで飛行機で移動。
 この旅は、日本の5倍ぐらいの場所を10日間で廻るので、日程は結構忙しい。

 ウルムチからカシュガルの飛行機は中国の国内線。わずか2時間の飛行なのですが・・・。
 「なんで搭乗検査で時間が掛かるんだ? 長蛇の列で全然進まないじゃないか」

 少し前にキルギスの中国大使館がウイグル人に襲われた影響でしょうか、とにかく検査が厳しかったですね。 ベルトを外さされ、靴を脱がされ、足の裏まで検査官が手で確認するという念の入れ方。
 「ちょっと行き過ぎや。クレージーだよこれは」

 実はテロ対策による検査は、この厳重な搭乗検査だけじゃなくて、これからも旅の途中の彼方此方でその姿に遭遇することになります。その話はまた後ほどに。

 ウルムチからカシュガルの飛行は、ちょうど天山山脈の上を飛ぶことになります。

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 地図の右、省都ウルムチから地図の左、カシュガルの間は、ズーと天山山脈が広がっていますね。
 天山山脈は日本列島と同じぐらいの長さがあり、標高5千m超の雪山が連なり、最高峰は7千mを超える、大山脈です。ヨーロッパのアルプスなんて目じゃないぐらい大きい。
 天山は中国読みではテンシャン、ウイグル語は天の山を意味するテンリ・タグだそうです。

 「シルクロードは天山の賜」 私はそう思っています。
 この地域は砂漠で覆われていますが、その極度に乾燥した地域に水を供給しているのは 天山の雪解け水です。 シルクロードの天山北路、天山南路に点在するオアシス都市は、すべてこの天山山脈の雪解け水があるから生きていけたのです。 中国側のウルムチ、トルファン、クチャ、イリはいうに及ばず、西側のフェルガナ盆地やウズベクまで、この天山山脈の雪解け水が命の支えです。

 昔このシルクロードを行き来した人達、張騫も三蔵法師もこの天山山脈を添うようなルートで旅してますが、この地域では行程は距離ではなくて、水のある場所を繋ぐように旅するのですね。 ですから、この天山山脈はシルクロードでは特別な山なんです。

 前置きが長くなりました。
 ウルムチを飛び立つと、すぐに眼下に雪山が見えてきます。

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 雲に覆われています。 雲というのは高い山に風が当たって生まれるものですね。 砂漠の上には僅かに浮雲があるだけで、決して雨になりませんね・・・・。 ごく当たり前の自然現象なんですが・・・。

 連なる雪山の姿が雲間に現れました。

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 9月というこの時期にこれだけの雪を頂いているというのは、標高5千mを超えている峰が一杯あるということでしょうね。
 「テンシャンですよ、テンシャン」 席の横にツアーメンバーで山好きの御仁が座っておられました。
 「テンシャンですね。凄いですね・・・」

 この方は山を見るとすぐに地図を開いて位置を確かめ、盛んに窓のほうに身を乗り出されます。
 「席を替わりましょう。 テンシャンがよく見えますよ」 窓側にいた私。
 その方は席を譲った後は、ズーと飽きもせずに眼下のテンシャンの雪山を見続けておられました。

 カシュガルに近づくと、飛行機は高度を下げていきます。 標高の低い場所に来たようです。

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 雪解け水が流れた跡でしょうか。 いや、今も流れているのかもしれませんが、水に浸食された岩肌が複雑な模様となって面白い情景に見えますね。

 前方を見ると、大きな緑の平原が広がり、その前方はかすんでよく見えませんが、タクラマカン砂漠になるのでしょうか。
 「結構緑がありますね。テンシャンの雪解け水の力は凄いですね・・・」

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 机上から見るとよくわかりますが、オアシスというと小さな緑の場所をイメージしますが、この地域のオアシスは関東平野より広い緑の平原を持っていますね。 昔はオアシスは一つの国家だったというのが判るような気がしますね。

 サー、カシュガルに着きます。
 これからがシルクロードの旅の 本番 になっていきます。

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Commented by odamaki719 at 2016-09-20 11:08
おはようございます!
 飛行機からの風景が綺麗ですね。
いつも窓側に座れるのですね。
台風が四国沖から紀伊半島を通過中らしく激しく大雨が
降っています。スマホからは警報が大きな音をたてて
連絡があります。
Commented by takeshi_kanazaw at 2016-09-20 17:01
odamaki719 さん。
パック旅行なので、席の選択は出来ませんが、窓側が多かった。
現在、我家の上を台風が通っています。
風と雨が激しいですが、特別な状況にはならない感じ。
Commented by small-talk at 2016-09-20 23:43
ヒマラヤやカラコラムのように8,000mが無いから、あまり知られていませんが、天山山脈も巨大ですからね。

アジア大陸以外に、7,000mはありません。
そう考えると、アジアの高峰は、飛び抜けて高いのですよね。
Commented by takeshi_kanazaw at 2016-09-21 00:07
small-talk さん。
ヨーロッパのアルプスがあまりにも有名ですが、スイスに行って見たアルプスとアジアの奥地の山を見比べると、その規模は全然違いますね。 標高も違うし、広がりも違います。
アジアの山はアプローチも長く、観光開発されていないので、その素晴らしさがあまり知られていない感じがします。
といっても、私は登山したのでなく、観光で近くへ行って眺めていただけですが・・・。
Commented by iris304 at 2016-09-22 20:03
こんばんは^^

機上から雪を被る白い山並み、その上の雲 雄大ですね。
この辺りを飛行機で飛ぶ事がないので 凄いですね。
初めて見ました。

以前 マッキンリーの上を飛んでいると分かった時
ここのどこかに植村さんが眠っているんだなと思いました。

”行程は距離ではなくて、水のある場所を繋ぐように旅する”
成る程なあと感心しました。
所変われば、全てが変わるのですね。
Commented by takeshi_kanazaw at 2016-09-23 08:38
iris304 さん。
日本は優しい場所だと思います。
水があって、緑があって、気候が温暖で。
所変われば何とやらですね。
by takeshi_kanazaw | 2016-09-20 09:32 | 新シルクロードの旅 | Comments(6)

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