周囲はカラマツの林に囲まれて、その林からの風が心地よい。
このお店で頼むのは 何時もA定食で、 岩魚や五平 さんのフルコースのランチ。
私は勝手に自分でお茶を入れ、灰皿を持ってくる。 まー、この店では勝手知ったる何とやら・・。
カラマツの風が頬に気持ちよく、ノンビリとタバコを吸わせてもらう。
そこへオヤジさんが最初に持ってくるのが、お漬物。
「今日も完食出来るかな・・・・」
以前からこの店のオヤジさんと話しているのだが、歳を取るとこのA定食を完食するのが難しいという。「俺はまだ歳じゃないよ。完食出来るさ!」と宣言してしまっていたので、私の顔を見るとオヤジさんは、完食出来るかな? と冗談を言ってくるのである。
最初に出てくるのは、山菜の煮たものと岩魚のマリネ。
この店のオヤジさんは情報関係の大手企業の定年退職者。特に料理屋をやった経験などないはずで、おそらくメニューは夫婦で考えた家庭料理の延長線みたいな感じ。
野菜の煮物の取り合わせは、季節によって中身が変わる。
岩魚のマリネは定番である。
オヤジさんは池のほう行って、やおら岩魚の生きたのをすくってくる。
「店の中の大きな囲炉裏で焼かせてもらうからね」
大勢で来た客の場合は、外の囲炉裏に炭を入れて焼くが、私は一人なので店の中の大きな囲炉裏で岩魚と五平餅を焼くのが通常のパターン。
以前にこのブログでも紹介したが、生きた岩魚を炭火で焼くのはまさに「残酷料理」
私に食べられる予定の岩魚が、尾っぽをピクピクし、全身を動かして焼かれている。
何時見ても この岩魚の炭焼きは 「残酷料理」 だと思うのだが、人間は他の動植物を殺して食べる、残酷な生き物なのである。近代人は自分で殺して料理することがないが、基本は同じ。
岩魚が焼けるまでの間に、ドンドンと他の料理が。
山菜と岩魚の天ぷら。左はリンゴの天ぷら。 山菜は奥さんが店の近くで摘んでくる。
「お客さんは食べるのが早すぎて・・・・」と奥さん。
「貧乏人の早飯 って昔から言うでしょう」と私。
奥さんの揚げる天ぷらは、いつも舌が熱くなるほどの揚げたてである。
確かに奥さんがこぼすように、私の食べるスピードは速い。
すぐに天ぷらを食べてしまい、ノンビリと煙草をふかしながら、彼方此方をフラフラ。
そのうち冷たい蕎麦が出てきた。
実はこのソバがクセモノ?で、このソバを食べるころになると、もうそろそろ満腹感が出てくるのである。天ぷらで結構お腹が膨れ、そこに冷たいソバが口当たりがいいので、すべてお汁まで飲んでしまう。
少し食べるスピードが落ちてきたころに、奥さんが持ってきたのが 田舎汁。 要するにキノコ汁の味噌仕立てのお汁。 それもタップリと入っている。
「これは二人前じゃないの。えらく多いじゃん」
このお汁は五平餅を食べる時の味噌汁の感覚なのだが、それにしてもエラク多い。
「サー、焼けましたよ」 と店の中で焼かれていた岩魚が登場。
随分変わり果てた姿になった岩魚。 アツアツの岩魚にかぶりついてしまう残酷な私。
炭火でじっくり焼かれているので、頭以外は全部食べてしまえる。
この炭焼きでは塩以外は何も調味料はなし。 まー、当然ではあるのですが・・・。
そして最後は 五平餅。
多分トチノミだと思うのだが、少し甘みがある味噌風で、焼かれているのでこうばしい。
五平餅を食べるころになると、もうお腹が一杯で食べることに専念しないと完食が達成出来ない。
多量の田舎汁を全部飲み干して・・・・。
「今回も完食やったね・・・」 とオヤジさん。
「フー・・・。 田舎汁がこたえたな・・・」
このブログは特に岩魚や五平さんの宣伝のために書いているわけではありません。
「岩魚や五平」さん。信州・開田高原のカラマツ林の中の小さな店ですが、ノンビリしていますよ。
近くへ来られたら、一度訪ねてみてください。
「岩魚や五平」さんのコース料理は次々と美味しそうな
料理が並ぶので食べるのに忙しいですね。
山菜の天ぷらが特に美味しそうです。
それに岩魚の塩焼きに五平餅満腹ですね。
行きたくなりました。
突き出しの出た時間は、何時も目の前のカラマツ林の付近をフラフラしています。
美味しそうですね。
季節のもの、新鮮なもの、土地のもの
どれもこれも目でも楽しみ舌でも楽しんで、
ありがたい事ですね。
何よりも、この林の中で
オーナーのお人柄が一番のご馳走でしょうか?
私は、
この五平餅頂きたいです。
それと、山菜、
やっばり、きのこたっぶりの田舎汁も
外せないかな?
お値段がわかりませんが、とにかく
満腹と満足の豪勢なランチですね。
このA定食は2900円です。
このお店の基本メニューが網羅されているスタイル。
それぞれ別個に注文することも出来ます。
一番のご馳走は周囲の景色ですね。
カラマツの林を吹き抜ける風が頬に優しい。
実にノンビリした時間が過ごせます。