タイに関する記事は、このブログの時事放談でも度々触れてきました。
前回の首相退陣の記事では、「どうもよくわからない・・・」 というブロ友さんのコメントもあり、今回のクーデターについても少し私見を載せておかないと・・・・。
昨年からの反タクシン派の狙いは、デモで騒いで軍の出動を促すことでした。
反タクシン派は王様を取り巻く旧勢力派中心、軍は王様の親衛隊的体質。 そういう意味では今回の軍のクーデターは、反タクシン派の思惑通りに事が運んでいることになります。
「しかしな・・・。今回はチョット違う展開になるかも知れないな・・・・」 私はそう感じています。
タイではこれまでも度々軍事クーデターが起きています。今回で何回目?
軍はクーデターで軍事政権を作りたいという感じではなく、混乱する政治家たちを 「掃除する」 という意識が強く、最終目的は安定した タイ王国 の維持にあります。軍はタイ王国の番人を任じていると思います。
過去の軍事クーデターは、王様の暗黙了解の元に行われ、タイ国民は「王様が国のことを考えて、軍を動かした」 と納得してきたフシが見えます。 政治家より数倍 王様 を信じている。
しかし、王様も高齢化(87歳?)して、前年の混乱時のメッセージも、各々が自分の仕事を全うせよ といった、柔らかいコメントしか発していません。
今回の軍事クーデターでは、王様に面会せず、軍独自の判断で行ったと発表している点がポイントです。タイの憲法では軍の指揮権は王様にありますから、これは服務違反?になるかも。 部下が上司の苦慮を慮って、自分の判断という形を取って難局突破を図るという構図ですかね。
タイ国民は 王様の真意はどこにある? と探っているのではないでしょうか。
軍部の独断専行だと思えば、タクシン派は激しく抵抗するでしょう。
恐らく、軍は番人役を任じていますから、喧嘩両成敗のような形を取るでしょうね。 反タクシン派も掃除の対象とせざるを得ないでしょうし、デモを仕切ったステープ元副首相もその辺は織り込み済みだと考えます。
問題はむしろ、国民が選挙で選んだ政権が、王様を取り巻く旧体制派に潰され続けている点にあります。 恐らくタイ国民の多くは、政治家の思惑より王様の方が、国のことを考えた正しい判断をしてくれると信じてきましたが、軍部の独断専行となると事情が違ってきます。
恐らく軍の掃除が上手くいかなかった時は、王様が軍の幹部を更迭することで、再度調整しなおす手が残されていますね。 タイ流のやり方ですが・・・・。
しかし、王様とそれを取り巻く勢力、国民が選挙で選んだ政権の 二重構造 を問題視せざるを得ない状況が生まれてくるかもしれませんね・・・・・・・・・・。