夏になると、先代からの庭師さんが勝手に来て、木や草を切っていく。
「あれ? あんなところにボールがあるわ」
綺麗になった庭の片隅に、ボールが一つ。
そういえば 子供の頃は、よく野球のボールを草むらで探したものだった。
夏休みになると、海で泳ぐことと、広場で野球をするに終始していた。
ボールは一つしかないので、ボールが見つからないと、その日の試合は終了する。
全員で汗をかきながら、必死でボールを探したものだった。
その頃にも、今と同じように、蝉がせわしく鳴いていた記憶がある。
子供のころに探しても見つからなかったボール。
きっと草むらに、ジーと隠れていたに違いない。
今日から甲子園で高校野球始まる。
夏本番である。
いつのまにか甲子園の季節です。
それでも草野球が出来たんですね。