今日はたまたまトヨタ系部品メーカーの技術系OBの人と一緒に。
「技術には絶対ということはないよな~。メカの場合は目に見えて比較的明確なんだけど、電子制御システムというのは目に見えないからな~」
まー、技術関係の方は理解していただけるように、世の中に絶対ということはない。
統計的には昔から千3つといって、千の中に3つ不具合はよしという考え方がある。それ以上に品質を高めるとコストが膨大にかかって、全体をダメにしてしまう。
昔ある有名な品質管理の大家の講義を受けた時の話。
ある記者が航空機事故の時に「絶対落ちない飛行機を作くれないもんですか?」という質問をその学者に投げかけたという。
その学者は ”こんなバカな記者に答える必要がない ”
世の中に絶対はないし、ミスはゼロにはならない。
しかし、しかし。不具合の車に乗ってしまって、死んだり事故に遭う方はたまりませんよね。
10数年前からトヨタはPPM作戦というのをやっていました。100万分の1の不良も見逃さないという、統計学ではキチガイみたいな考え方ですが、100万分の1でも不良車に遭遇したお客個人は100%の不良だというわけです。
ところで、我が家は訳があって、トヨタの車が2台あります。1台は10年前購入した車で、もう1台は昨年購入したもの。私はこの2台の車を運転しているのですが、明らかにアクセルとブレーキの感覚が全然違う。
今問題になっている電子制御システムを利用した新しい車は、ブレーキもアクセルもフォワーとしているというか、足の感覚と動作が少しずれているような気がします。特に支障はありませんが、2台の車を交互に乗っているので、余計にそう感じるのかも知れません。
車に限らず、技術的な欠陥はなくとも市場で問題になるケースは多い。あくまでも使うのは人間ですから、人間の感性に追い付かない、マッチし難いものはクレームとなります。特に自動車のように生命にかかわる商品は大きな問題でしょうね。
現実的な世界では、1年目の新車は買うな といわれるように、予想外のクレームに対応しながら製品の品質が良くなっていくようです。
今回のトヨタの問題はクレーム対応の遅れが最大のポイントですね。
余談ですが、テレビを見ながら面白いことを言う人がいました。
「そりゃ、アメリカはここぞとばかりトヨタをいじめるわさ。日本でも韓国の車が市場を席巻して、クレームが発生したらパッシングが起きるわ」
アメリカの公聴会は議員の宣伝の場という雰囲気もあるとか。トヨタいじめが票になる?
「それほど言うなら、トヨタはアメリカから引き揚げてやるぞ!」
豊田社長は啖呵を切れないでしょうね・・・・。
日本の物作りは品質の良さが最大の武器です。
今回のクレーム騒ぎはトヨタ1社の問題ではなく、日本の工業製品全体にも影響が出るかも知れませんね。
それにしても日本のトヨタの車に関しては、リコールはないのでしたっけ?